不動産営業マンの1日のスケジュール

新人時代のリアルな働き方と学び

不動産営業マンというと「厳しい」「ハードワーク」というイメージを持つ方が多いでしょう。
実際に私が新人時代に経験した1日は、まさに体力勝負と精神力勝負の連続でした。朝から夜まで、休む暇なく数字を追いかけ、訪問件数を積み上げ、上司に報告する。まるで「修行」のような日々でした。

しかし、そのハードなスケジュールを通じて、私は営業マンとしての基礎を徹底的に叩き込まれました。
この記事では、新人不動産営業マンのリアルな1日のスケジュールを詳細に紹介しながら、そこで感じた大変さ、そして最終的に得られた学びについて掘り下げていきます。


新人営業マンの典型的な1日の流れ

朝9時:朝礼・数字の共有

出社すると、まずは朝礼。営業所全体が集まり、昨日の成果報告や今日の目標を共有します。
新人の私にとって、この朝礼は一日のプレッシャーの始まりでした。上司から「今日は100件回れ」「必ずアポイントを1件取ってこい」といった厳しい指示が飛びます。

この時間に士気を高めるどころか、むしろ胃が痛くなるような緊張感に襲われたことをよく覚えています。


午前中:飛び込み営業スタート

朝礼が終わるとすぐに街へ繰り出します。オフィス街や商店街を歩き、片っ端からドアをノック。
「不動産投資のご提案に伺いました」
「資産運用に興味はございませんか?」

しかし、返ってくる言葉のほとんどは冷たい拒絶です。
「間に合っています」
「二度と来ないで」
ドアを開けてすらもらえないことも珍しくありません。

午前中に30件訪問して、名刺を受け取ってもらえたのは1件だけ、という日もありました。


昼休み:わずかな休息と整理時間

正午を過ぎると、一旦昼休み。とはいえ、オフィスに戻る余裕はなく、外でコンビニ弁当を買って公園や車の中で食べるのが日常でした。

昼食の合間に、午前中に配った名刺や受け取った名刺を整理します。
そして午後の訪問先を地図やリストで確認し、効率的に回れるよう計画を立て直しました。

「午後は午前の倍、動かないと成果は出ない」
そんな焦りを感じながら、休憩というより作戦会議に近い時間でした。


午後:飛び込みと再訪問の繰り返し

午後は再び飛び込み営業。加えて、以前訪問した先を再度回る「再訪問営業」も行います。
「前回はご興味がないと伺いましたが、状況に変化はありませんか?」
「新しい情報をご案内に来ました」

再訪問は一見しつこく思われますが、不動産営業では重要な手法です。最初は断っていた相手でも、数回接触を重ねるうちに「話だけは聞いてみようか」と心が動くことがあります。

とはいえ、午後も基本は「断られ続ける時間」です。特に真夏や真冬は体力的にも消耗が激しく、汗だくになってスーツがヨレヨレになったこともあります。


夕方:内覧・アポイント訪問

夕方になると、飛び込み営業から内覧対応にシフトする日もあります。
事前にアポイントが取れていれば、物件にお客様を案内し、投資用マンションの利回りや将来性を説明します。

新人の頃は知識が乏しく、質問されても答えられず冷や汗をかいたこともありました。
その度に「もっと勉強しなければ」と痛感し、夜遅くまで資料を読み込む日々が続きました。


夜:会社に戻り、日報・反省会

夜になると営業所に戻り、1日の活動を報告します。

  • 訪問件数
  • 名刺獲得件数
  • アポイント件数
  • 契約の進捗

これらを数字としてまとめ、上司や同僚の前で発表します。成果が出ていないと、その場で厳しく叱責されることもありました。

反省会が終わるのは21時過ぎ。そこから翌日の訪問リストを作成し、退社は22時を回るのが当たり前。家に帰ると、体はクタクタで何もする気力が残っていませんでした。


働いてみて感じた大変さ

  1. 体力的な負担
    炎天下や極寒の中を歩き回り、1日に何十件も訪問するのは過酷でした。
  2. 精神的な疲労
    断られることが前提の営業なので、モチベーションを保つのが大変です。
  3. 長時間労働
    平日は飛び込みと報告、土日は内覧対応。休む時間がほとんどなく、友人や家族と会う余裕もありませんでした。

そこから得られた学び・スキル

  • 時間管理の重要性
    限られた時間でどれだけ効率的に動くかが成果を左右します。
  • 優先順位をつける力
    見込みがある顧客を見極め、そこに注力する判断力が鍛えられました。
  • 瞬時の切り替え能力
    断られても立ち止まらず、すぐに次の訪問へ移る。気持ちを切り替えるタフさは大きな財産になりました。
  • 営業の本質理解
    「売り込む」より「信頼関係を築く」ことが結果的に契約につながる、と肌で学びました。

まとめ

不動産営業マンの1日は、数字と時間に追われる非常に厳しいものです。
しかし、その日々を乗り越える中で身についた力は、転職や独立など、後のキャリアにも大きく役立ちます。

新人時代の過酷なスケジュールは、決して無駄な苦労ではなく、「営業力を一生の武器に変えるための訓練期間」だったと今では思います。

これから営業を志す人、不動産営業を続けるか悩んでいる人にとって、この経験談が少しでも参考になれば幸いです。

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