厳しさと成功のカギ
営業職の中でも「飛び込み営業」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
とくに不動産業界では、インターネット広告や紹介営業が普及している現代でも、飛び込み営業は新人営業マンの登竜門として存在しています。
私はかつて、不動産投資物件の営業マンとして、毎日のように飛び込み営業を行っていました。
正直に言えば、最初はつらくて「もう辞めたい」と思ったことも数え切れないほどありました。
しかし同時に、この経験から学んだことは、その後の営業活動、そしてキャリア形成に大きく役立ちました。
この記事では、飛び込み営業の基本から、私の体験談、成果を出すための工夫、そして今後の飛び込み営業の展望までを詳しく紹介していきます。
飛び込み営業とは?基本をおさらい
飛び込み営業とは、事前のアポイントなしに企業や個人宅を訪問し、自社の商品やサービスを提案する営業手法のことです。
不動産営業における飛び込みの特徴
- 不動産投資用マンションや土地活用の提案が中心
- 法人向けのオフィス仲介や店舗開発でも活用される
- 「突然の訪問」なので拒絶されやすいが、直接の反応を得られる
メリット
- 新規顧客にアプローチできる
- 営業力・メンタルが鍛えられる
- 地域の情報や市場動向を肌で感じられる
デメリット
- 断られることが圧倒的に多い
- 非効率で体力的にも精神的にも消耗する
- 法規制やコンプライアンス意識が強くなった現代では難易度が高い
私の飛び込み営業体験談(不動産投資営業編)
私は20代前半で不動産投資用マンションの営業会社に入社しました。
最初の仕事は「ひたすら飛び込み」です。名刺を片手に、毎日100件近くのオフィスや店舗を訪問していました。
1日のスケジュール(新人時代)
- 朝9時:朝礼、上司から「今日は100件回れ」と指示
- 午前中:ビルを順番に訪問、テナントや事務所に「投資用マンションのご提案です」とアプローチ
- 昼休み:外でコンビニ弁当を食べつつ、名刺整理
- 午後:再び飛び込み、断られ続ける時間が続く
- 夜:会社に戻り、訪問件数や反応を報告
最初の1ヶ月は成果ゼロ。
「もうやめたい」「自分には向いていないのでは」と毎日悩んでいました。
最初に感じた壁
- ドアを開けた瞬間に「間に合っています」と断られる
- 話す前に門前払い
- 無視されることもしばしば
特に心に残っているのは、あるオフィスビルで、10件連続で断られた日のことです。
帰り道のエレベーターで「自分は何をやっているんだろう」と涙が出そうになったのを覚えています。
成功体験が転機になった
そんな日々の中で、ある経営者の方に「ちょうど資産運用を考えていた」と声をかけてもらったことがありました。
詳しく話を伺い、後日アポイントにつなげ、最終的に契約をいただけたのです。
この経験で気づいたのは、
「100件断られても、1件の出会いが大きな成果につながる」
ということでした。
飛び込み営業で成果を出すための工夫
体験を重ねるうちに、ただ訪問件数をこなすだけでは成果が出ないと学びました。
相手の悩みに寄り添う
ただ「投資用マンションいかがですか?」ではなく、
「退職後の生活資金に不安はありませんか?」
「税金の節約に関心はありますか?」
と、相手の関心事に寄せた提案をすることが重要でした。
信頼を積み重ねる
すぐに契約につながらなくても、定期的に情報提供を続けることで信頼が生まれます。
結果的に「あなたから買いたい」と言っていただけるケースが増えました。
契約につながった実例
ある40代の経営者は、最初は「不動産は興味ない」と断っていました。
しかし私は「資産を守る手段として不動産が役立つ」ことを少しずつ説明し、半年後に1件目の契約に至りました。
このとき、飛び込み営業は「売り込むのではなく、信頼を積み重ねる」ものだと実感しました。
不動産飛び込み営業から学んだこと
- メンタルが鍛えられる
- 人の話を聞く力が身につく
- 営業の本質は「押し売りではなく、課題解決」だと理解できる
この経験は、その後のキャリアでも非常に役立ちました。
飛び込み営業で培った「瞬時に相手の反応を読み取る力」は、オンライン営業やコンサルティングにも応用できます。
飛び込み営業は今後どうなる?(最新動向と展望)
最近は、インターネット広告やSNSを活用したマーケティングが主流になっています。
しかし、不動産のように「高額で人生に影響する商品」では、最後は「人対人の信頼」が決め手になることも少なくありません。
飛び込み営業の数は減少していくかもしれませんが、
営業マンの基礎を学ぶ場としての価値は今後も残り続けるでしょう。
まとめ|飛び込み営業は人生を変える経験になる
不動産の飛び込み営業は、確かに厳しく、つらい仕事です。
しかし、そこで得られる「人間力」「営業力」「信頼関係を築く力」は、一生ものの財産になります。
もし今、営業マンとして飛び込み営業をしている人がいるなら、
「断られることも経験の一部」と前向きに捉えてほしいです。
そして、1件の成功体験が、必ずあなたの未来を大きく変えるはずです。
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